国民的魔法少女が漫画で復活!……『ひみつのアッコちゃんμ』【スピネル】

国民的魔法少女が漫画で復活!……『ひみつのアッコちゃんμ』【スピネル】

言わずと知れた、赤塚不二夫・原作の名作少女漫画。鏡の国の妖精から、何にでも変身できる魔法のコンパクトを授けられた女の子・加賀美あつこ(アッコ)の活躍を描きます。赤塚先生の生誕80周年を記念した作品で、「プリキュア」シリーズのコミカライズなどを手がけている作者の手によって、2010年代によみがえりました。

赤塚先生の偉大さを象徴する元祖・魔法少女

この作品は、魔法少女の元祖とも言える存在です。「りぼん」「なかよし」で1960年代〜90年代に3回連載され、テレビアニメ化も3回。2012年には綾瀬はるか主演で実写映画にもなりました。東映動画の魔法少女路線の中でも、「魔法使いサリー」とともに知名度が高く、魔法少女もののアニメの中でも、どんな職業、年齢にも変身できるという設定は、形を変えながら「ミンキーモモ」「クリィミーマミ」といった魔法少女アニメに受け継がれ、「セーラームーン」以降のバトル少女ものが主流になるまで、日本中の女の子を夢中にさせました。漫画はもちろんですが、アニメ界に与えた影響は大きく、「天才バカボン」「おそ松くん」と並び、赤塚先生の偉大さを物語る作品のひとつです。

現代風に大胆にアレンジした設定

この作品では、魔法のコンパクトに携帯電話や、変身後の能力を与えるアプリダウンロード、感情の高まりに反応して写メを撮影するなど、スマホを連想させる機能を追加したり、サブキャラの「大将」が何かにつけてラップを歌って登場するなど、現代風の大胆なアレンジがなされています。大将は「ドラえもん」のジャイアンや「キテレツ大百科」のブタゴリラのような、体が大きく、力も強くて存在感がある“いじめっ子”タイプのキャラですが、この手のキャラがラップを歌うというのは、いかにも今風。絵本作家のお母さんが液タブを使っていたり、と細かいディテールも凝っています。

アニメ第2作がモチーフもプリキュアを意識?

キャラクター設定はアニメ第2作を踏襲しており、オリジナルキャラ「鏡の国の王子様」が登場します。アニメ版では「キーオ」という名前で、「姿桐男」と名前を変えてアッコちゃんの小学校の同級生になっている……という設定ですが、今回は「姿時生」という名前で、アッコちゃんは時生を護衛するという任務を与えられています。また、アッコちゃんには鏡の国の「チャミラ」という妖精が相棒役としてついているなど、作画担当の代表的作品である「プリキュア」に近づけた設定が多い印象を受けます。現在はまだ変身能力を生かして王子を危険から遠ざけるコメディタッチで進んでいますが、「護衛」という任務の内容からいって、今後、鏡の国の平和を脅かす敵キャラが現れたりすれば、バトル系魔法少女の要素が加わってくる可能性も考えられます。

時間軸を進ませたアッコちゃん

設定という話をすれば、漫画でもアニメでも、小学生という部分は不変だったアッコちゃんが、今回は中学1年生に。すでに、時生に恋するフラグも立っており、恋愛要素をかなり意識した作りになっています。1990年代のバトル系魔法少女の代表作である「カードキャプターさくら」も、昨年の「なかよし」での復活連載では中1になり、パートナーの小狼と恋愛関係にあるといった、時間の流れを感じさせる設定でした。
時間軸の進行とともに、メインキャラを成長させるという手法は旧作のファンからすれば、「大きくなったね〜」という、読者自らの時間軸の進みに即した感慨を抱く場合と、「この子はあの時のままでいて欲しかった」というネガティブな感情を持つ場合と、賛否2つにはっきり分かれます。成長し、恋愛要素を盛り込んだアッコちゃんが、読者にどれだけ受け入れられるでしょうか。個人的には、作中で主人公が成長するのは好きな方なのですが……。

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