バイリンガル声優のエッセイ4コマ…『教えて!劉老師 2カ国語声優の日常』【ふんわりジャンプ】

バイリンガル声優のエッセイ4コマ…『教えて!劉老師 2カ国語声優の日常』【ふんわりジャンプ】

中国で生まれ育ち、現在では日本でアニメ声優、ナレーターとして活動しているりゅうセイラさんが、ウェブ上で連載している4コマ漫画です。なぜご本人が異国でアニメ声優を志したのか、そして隣国なのにあまり知られていない中国と日本のライフスタイルの違いを、体験談をまじえて軽妙に描いています。

日本人より日本語がうまい

作中でも自ら描いていますが、北京市生まれのりゅうさんは小さい頃から日本のアニメが大好きで、声優を志して北京外国語大で日本語を学び、日本工学院専門学校へ留学しました。デビュー前には、ニコニコ動画で「歌ってみた」などの動画投稿もしていたといいますから、サブカル好きは筋金入りです。この漫画も、当然ながら本人の筆によるもの。「好きこそものの上手なれ」とはよく言ったもので、日本語もネイティブスピーカーより上手と言われるほど流暢。日本語能力検定1級、ビジネス能力検定3級を持つといいますから、実にうらやましい才能の持ち主です。
漫画が描ける声優さんといえば、「まけるな!あくのぐんだん」がアニメ化された徳井青空さんなどがいますが、劉さんも徳井さんも、声優というよりマルチクリエーターといった方がいいのではないか、とぼんやり思ったりします。
異国の地で、しかも言葉に深いゆかりがある仕事に就くというまでには、様々な苦労があったことと思います。しかし、そんな苦労話は一切ありません。最初の2回は自分語りが中心ですが、むしろ自らの経歴については驚くほど淡々と語っています。苦労した人ほど、その苦労を語りたがらないし、やりたいことのために努力するのは当たり前、という強さが、軽いタッチの4コマ漫画の裏に感じられます。

「こいつ、動くぞ…」

「セイラ」という芸名は、「機動戦士ガンダム」の主要キャラ、セイラ・マスから名付けたそうですが、最新の第4回、日本のトイレで受けたカルチャーショックの回は笑えます。自動で開く便器のフタに「便所が(こいつ)……!動くぞ!!」「試させてもらおうか、日本のトイレの性能とやらを……」とガンダムの名セリフのオンパレード。日本の暖房・洗浄機能つき便座は、中国のみならず欧米人も感嘆する高性能を誇るといいますが、見たこともないものを見た時の驚きとともに、アニメの中でも含蓄の深いセリフが各所に登場する「ガンダム」を、そこまで細かく見ているアニメヲタクぶりに、読んでる方も感嘆してしまいます。

http://www.funwarijump.jp/manga/ryuseira/p93b8l4azlsb

関係を深める日中アニメ業界

今、アニメ業界でも日中の結びつきは深くなっています。日本の製作プロダクションの下請けだけでなく、今では中国オリジナルのアニメ製作も盛んで、クォリティーも高くなっています。2013年に設立された絵夢(ハオライナーズ)は「霊剣山」「Spiritpact」「一人之下 The outcast」などの作品を日本のテレビで放送しています。
劉さんも中国の漫画を原作とした「侍霊演武:将星乱」にメインキャラのひとりとして出演しており、今後、どんどん活躍の場は増えていくでしょう。まだ連載は5回目ですが、日常生活だけでなく、アニメのアフレコや製作現場でのカルチャーショックなど、もっともっと世界が広がっていくんだろうな……と今後の展開が楽しみです。日中の相互理解なんて難しいことよりも、ひとりの外国人の女の子が、日本で感じたことをそのまま描いた、というコミックエッセイとして楽しめる作品です。

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