【コミックウォーカー】不登校の日常

【コミックウォーカー】不登校の日常

久遠まこと・作

「病欠」と称して学校を長期欠席し、部屋にひきこもっている女子高生・早乙女雨音の日常をコメディタッチで描きます。しっかり者の双子の姉・音晴とのかけ合いを基本に話が進みますが、担任の先生、娘に超甘い父親、音晴のクラスメートなどのキャラクターがいずも濃いわりに、ゆるーく軽いタッチが持ち味。

「明るく、楽しい不登校マンガ」。一言でいえば、こう表現するしかない漫画です。昼夜逆転生活、いつも家でゴロゴロしては一日中ゲーム。人生で3年間しか使えない「JK」という称号を無駄遣いしている雨音。不登校になった理由はさして大げさではなく、クラスになじめず、友達もできない生活の中で、だんだん学校に行くのがめんどくさくなった—という、ただそれだけ。「不登校」というと大きな教育問題のように見えますが、意外とそんなものなのかも知れません。

作品冒頭にも描かれていますが、雨音は普通に学校に通っていれば、それなりにスペックの高いJKです。男の子にも結構人気が出たのではないでしょうか。しかし、雨音は他者とのかかわりを極力拒否し、自分の世界に閉じこもることを選択しました。そして家族の音晴とシングルファーザーの父親もそれを受け入れています。真面目で、妹を学校に行かせようとなんだかんだ世話を焼く音晴ですが、妹が拒否すればそれ以上押すこともなく、家事全般をこなすできた嫁のようなお姉ちゃん。たまに、じゃれあいのようなケンカをすることもありますが、描写からは、単に妹が姉に甘え、姉もまんざらではないといった様子にしか見えません。

なので、不登校とは言っても「重さ」「暗さ」「ドロドロ」とは無縁です。親がおらず(母親は離婚、父親は仕事でめったに家に戻らない)、登場人物のほとんどが同学年の人間だというのもまた、この作品を軽い雰囲気にするのに一役買っています。たまに家を訪ねてくる担任の先生もいい人だし……そういう意味では、雨音は理解ある(?)周囲に恵まれています。生活費は音晴が管理し、雨音は小遣い制でありながら高い宅配ピザを常食し、中古とはいえゲームソフトを買いあさるなど、妙に暮らし向きがいいというあたりにツッコミは入りますがwww

家族と仲良く暮らしている雨音は「不登校」ではあるけれど、外に出ることもあるし、「引きこもり」ではありません。極度のコミュ障ということを除けば、社会生活は営めています。こういう子は、ある特定のものに対しては天才的な才能を発揮したりするので、意外と何かクリエイティブなことをやると成功するタイプのような気がします。ちなみに、クリエイター系の在宅仕事は、雨音の生活にかなり近いです(笑)。そちらを目指してみるのもいいのではないでしょうかw

ちょっとマジレスすると、音晴のクラスメートの冴子(なぜかラブライブ!の凛ちゃんのように、語尾に「にゃー」をつけて話すw)のように「学校に行かない(友達に会わない)生活は考えられない」というのは、典型的なリア充視点のように思えます。確かに、学校は勉強だけでなく社会生活を学ぶ場でもありますが、そこになじめない人間は無理に行くことなんかないと思うのです。今ではフリースクールみたいなものもありますし、家にいたってできることはたくさんあります。こんな日常なら、不登校もまた楽しいのではないか、なんて思えてきます(笑)。

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